Wi-Fiのaとgの違いは何?その特徴と使い分けについても解説!!

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2023年現在、Wi-Fi規格の主流はWi-Fi 6ですが、筆者の現在のWi-Fi環境は未だWi-Fi 5です。

Wi-Fi 5の使用周波数帯は、aの5GHz帯なのですが、下位互換によりWi-Fi 4 gの2.4GHz帯も使用出来て、筆者も最初はどちらを使うべきか迷いました。

いわゆるAとGの違い、使い分けですね。

そこで5GHz帯のaと2.4GHz帯のgの両方を使ってみて通信速度の違いや安定性について調べた結果、当然ながら、世代が新しく通信速度の速いWi-Fi 5の5GHz帯のaを常用しております。

皆さんが無線ルーターを購入する時に、まず一番は最大通信速度や、通信規格が気になりますよね。

以前は、IEEE802.11nとかIEEE802.11axとか言って何の事か良く分からなかったのですが、2019年よりWi-Fi ナンバリング規格の運用が開始され、Wi-Fi 4、Wi-Fi 5、Wi-Fi 6、Wi-Fi 6Eなどと明確になり世代毎の新旧比較が容易になりました。

しかし、各ナンバリングの中にも使用周波数帯の区分がある規格や冒頭に述べた通り下位互換の事もあり、標記のaとかgの違いや使い道が分かり難くなっているのも事実です。

そこで、この記事ではWi-Fiのa(A)とg(G)の2つの周波数帯を持つWi-Fi 6 の場合を仮定して、それぞれの特徴、あると有効な機能について解説します。

 

 Wi-Fiのaとgの違い

ネットワーク接続では、「A」「G」のように大文字表示されていると思います。

Wi-Fiのaとgは使用する周波数帯の違いで区別

aとgの違いは、使用する周波数帯の違いです。

aが、5GHz帯を使用

例)Buffalo-A-〇×△◇

gが2.4GHz帯を使用

例)Buffalo-G-〇×△◇

Gは、「素晴らしい、偉い」のGreat のGではなく、どちらが偉いかなんて事はありませんが、

Wi-Fi のaとgの名前の由来

Wi-Fi で、5GHz帯に「a」を、2.4GHz帯に「g」を使う由来は、

2.4GHzの周波数帯を使用しているのは下記「Wi-Fi 規格の変遷」表の通り、第1世代のIEEE 802.11、第2世代のIEEE 802.11b、第3世代のIEEE 802.11g、第4世代のIEEE 802.11n(Wi-Fi 4)、第6世代のIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)です。

そこで、2.4GHz帯のみを使用する最終世代が第3世代のIEEE 802.11gなので、この周波数帯を代表するものとして「g」を使うようです。

5GHz帯の周波数を使用しているのは下記「Wi-Fi 規格の変遷」表の通り、第2世代のIEEE 802.11a、第4世代のIEEE 802.11n(Wi-Fi 4)、第5世代のIEEE 802.11ac(Wi-Fi 5)、第6世代のIEEE 802.11ax(Wi-Fi 6)となっています。

そこで、5GHz帯のみを使用する最初の世代が、第2世代のIEEE 802.11aなので、この周波数帯を代表するものとして「a」を使うようです。

Wi-Fi 規格の変遷

1997年の第1世代から始まり、現在主流の第6世代に至っています。
2024年5月には、第7世代(IEEE 802.11be)が策定される予定となっています。

世代新名称規格名周波数帯最大通信速度
第1世代(1997年)IEEE 802.112.4GHz帯2Mb/s
第2世代(1998年)IEEE 802.11a5GHz帯54Mb/s
第2世代(1999年)IEEE 802.11b2.4GHz帯11Mb/s
第3世代(2000年)IEEE 802.11g2.4GHz帯54Mb/s
第4世代(1999年)Wi-Fi 4IEEE 802.11n2.4GHz帯/5GHz帯600Mb/s
第5世代(1999年)Wi-Fi 5IEEE 802.11ac5GHz帯6.9Gb/s
第6世代(1999年)Wi-Fi 6IEEE 802.11ax2.4GHz帯/5GHz帯9.6Gb/s

規格名の802.11から始まって、802.11a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k、m、n・・・変遷して行きますが、規格名には802.11a、802.11g、802.11n・・・のように一般的に知られる伝送規格だけではなく、間の802.11c、d、e、F、、h、i、j、k、mなどのように各国の法規、セキュリティ、通信の強化の為のタスクグループ(作業部会)等がある事から飛び々の規格名となっています。

aとgには、それぞれ特徴があります。

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「a」5GHz帯の特徴

通信速度が速い(参考例Wi-Fi 6、4804Mb/s)
壁や家具などの障害物に弱い
電子レンジ、電話機などの使用周波数帯と干渉しないので通信が安定する
電波を遠くまで飛ばす力が弱い、距離の目安は40m

USEN GATE 02 さんのインターネット回線スピードテストを使用しています。
筆者インターネット回線は、VDSLなので100Mb/sが限界の環境です。

「g」2.4GHz帯の特徴

通信速度が遅め(Wi-Fi 6、574Mb/s)、5GHz帯の1/8~1/4の速度
壁や家具などの障害物に強い
電子レンジ、電話機などと同じ使用周波数帯を使用するので通信が不安定な時がある
電波を遠くまで飛ばせられる、距離の目安は50~100m
USEN GATE 02 さんのインターネット回線スピードテストを使用しています。
Wi-Fi 4 2.4GHz帯は、Wi-Fi 5 5GHz帯の約半分の実効速度です。
筆者インターネット回線は、VDSLなので100Mb/sが限界の環境です。
しかし、これ位のスピードがあれば、インターネット、YouTube閲覧、ビデオ通話など通常使用には支障がない範囲です。
以上のように、Wi-Fiのaとgにはそれぞれの特徴がありますが、これを上手く使い分けるにはどうしたら良いでしょうか。それを次章で説明します。

Wi-Fiのaとgの使い分け

Wi-Fiのaを使う方が良い場合

aは、「壁や家具などの障害物に弱い」と言う特徴がありますので、2階のない平屋、或いはマンションにお住まいの方には最適です。
間取りの中心近くに無線ルーターを置けば、どの部屋にも電波が届き中継機もメッシュWi-Fiも必要ないと思います。

部屋の中心にLANポートがない場合や、2階建て3階建ての住宅であっても、前述のメッシュW-Fi機能付きの無線ルーターを選んで要所々にサテライトルーターを設置すれば快適な無線AN環境が構築され、元々のハイスピードを享受できると思います。

又、動画視聴やLINEビデオ通話など高速通信が必要な場合にもaは有効です。

更に、接続デバイスの数が多い場合にも速度低下率が低く、aは対応出来るので有効です。

 

Wi-Fiのgを使う方が良い場合

会社の広い事務所、倉庫など無線ルーターと各デバイスの距離が遠く、ある程度の速度が出れば良いと言う場合、遠達性に優れる(Wi-Fi 4、Wi-Fi 6)のgの利用は有効です。

又、Wi-Fi 4などにしか対応していない古いデバイスがある場合は、Wi-Fi 4のgを使わざるを得ない場合があります。

このようにWi-Fi 4の世代のg(Wi-Fi 6のgは除く)は、Wi-Fi 5のaのような5GHz帯が登場する前に対応した古い規格なので、遠達性以外のメリットがない場合は、Wi-Fi 4のgを積極的に使う意味は薄いです。

Wii-Fiのナンバリング規格

出典:ウィキペディア

2023年現在、Wi-Fi規格の主流はWi-Fi 6で、2024年には、Wi-Fi 7 が策定される予定です。

あると有効な機能について

ビームフォーミング機能

これは、無線LANルーターが接続する機器のみに向けて電波を送信する指向性送信機能で、通信距離、障害物の多い場所でも電波が届き易く通信速度も落ち難くなるものです。

但し、これは無線LANルーターと接続する機器の両方にこの機能がないと利用できません。

 

マルチユーザーマイモ(MU-MIMO)機能

これは、1台の無線LANルーターから複数の受信機器に一斉にデータを送信する機能で、従来の端末1台毎に順に送信しないので、通信速度の低下防止と即時性が望めます。

 

バンドステアリング機能

これは、使用する周波数帯の混雑状況に応じて使用する周波数帯(5GHz帯、2.4GHz帯)を自動で切り替える機能です。

例えば、5GHzの端末の使用台数が多くて無線LANルーターの能力を超えるような時、空いている2.4GHz帯に自動で切り替えて通信の安定を実現してくれます。

但し、これも無線LANルーターが両方の帯域に対応していないと使えません。

メッシュWi-Fi機能

メッシュWi-Fiとは、親機である無線ルーターに1つ以上の同一SSIDのサテライト(衛星)ルーターを組み合わせる事で、メッシュ(網の目状)の広範囲に電波を届ける仕組みです。

これと似た考え方に以前は中継器と言うルーターがありますたが、これは機器毎に別のSSIDを持つ事から、ギリギリまでそのネットワークを離さず、いよいよ切れてしまい違う中継器エリアに行き電波を掴むと手動で繋ぎ替えをする必要がありました。

しかし、メッシュWi-Fiはそのような事がなく、前述の通り親元の無線ルーターと同じSSIDを使いアクセスポイントを自動で切り替えるローミング機能により、ネットワーク切替の手間が不要で、通信速度の安定向上が得られます。

ただ、これにも今の所、欠点もあってそれはメッシュWi-Fiの規格がメーカー毎にいくつかあり他の規格の混在では使えない事で、同一のメーカー製のものを使う必要があります。

しかし、これも規格統一の動きがありWi-Fi Alliance がリリースした「Wi-Fi EasyMesh(イージーメッシュ)」規格を採用しているものであれば、他社間のルーターでも簡単に接続が出来ます。

又、一般的な無線ルーターや中継機に比べるとそのネットワーク構造上3台以上を組合せる事によりメリットを発揮する事から高コストである欠点もありますが、投資コストに見合うメリットを感じる方には最適なWi-Fi エリア拡大方法だと思います。

今述べたットワーク構造上3台以上を組合せる事によりメリットを発揮するという理由ですが、これはもしどこかのサテライトルーターが故障など起こして通信経路が遮断されたとしても、別の経路を使って通信を確保できるというものです。

フェイルセーフ機構と言うような考え方ですね。

 

要約すると次のようなメリットがあります。

通信速度の安定向上効果
確実で安定的な通信エリアの確保(フェイルセーフ機構も含む)

デメリットとしては

一般的な無線ルーター、中継機に比べて高コストになる

 

まとめ

冒頭に述べた通り、Wi-Fiの現在の主流はWi-Fi 6であり、使用周波数帯とすれば遠達性の問題や、障害物透過能力が弱いという欠点はありますが、通信速度の速さ、一般電子機器との不干渉性、それらの欠点を補うメッシュWi-Fi の通信確実性、安定性から、総合的に「a」の5GHz帯の使用を優先すべきと考えます。

しかし、ある程度の通信速度が得られれば良いという考え方と、遠達性や、コストパフォーマンスの利点を考えるとgの2.4GHz帯もそれなりに有用なので、使用するメリットはあると思います。

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