SSDの性能を表す一つの指標としてIOPS(Input/Output Per Second)があります。
これは、毎秒当たりの読み込み、書き込み回数の事で数字が大きければ性能が高いだろうと予測は出来ますが、イマイチぴん!と来る数値ではありません。
そこで、この記事では余り難しい事を言わずに、一般的に皆さんが見慣れているMB/s(メガバイト/秒)の変換計算ツールの紹介をしたいと思います。
IOPS⇔MB/s変換計算機
- 変換したい数値を入力すると、計算結果が項目欄に表示されます。
IOPS⇔MB/s変換計算式
MB/sへの変換計算式
MB/s=4KB×IOPS/1024
IOPSへの変換計算式
IOPS=(MB/s)×1024/4KB
SSD仕様表の見方
SSDの仕様表は、各メーカーによって表示項目に多少の相違はありますが、
この数値が一番良く目に付くのではないでしょうか。
例えば、
NVMe接続のM.2 SSDのスピードとして
シーケンシャルリード 3,500(MB/s)
シーケンシャルライト 3,000(MB/s)
又、SATA3接続のSSDのスピードとして、
シーケンシャルリード 560(MB/s)
シーケンシャルライト 520(MB/s)
などのように良く見聞きしますよね。しかし、
※QD=Queue Depth=キューの深さ=待ち行列の長さ
では、何の数値が重要かと言いますと、ズバリ
ここで、参考までにSAMSUNGの870EVOシリーズのデータシートを見ますと、
例えば、SAMSUNGの870EVOシリーズの1TB SSDでのPerformanceでは、下記の通り
- Sequential Read 560 MB/s
- Sequential Write 530 MB/s
- 4KB Random Read (QD1) 13,000IOPS(50.78MB/s)
- 4KB Random Write (QD1) 36,000IOPS(140.63MB/s)
- 4KB Random Read (QD32) 98,000IOPS(382.81MB/s)
- 4KB Random Write (QD32) 88,000IOPS(343.75MB/s)
となっていて、一番上2つの表現は、皆さん見慣れている数値であり、SATA3接続6Gb/s(物理転送速度750MB/sの実効転送速度4.8Gb/s=600MB/s)に近いものです。
※1bit=1/8B(バイト)、1G(ギガ)=1000MB(メガバイト)
なので、100,000IOPSだから全てにおいて性能が良いと言うのは少し早合点となると思います。
注意して見る値は、ランダムアクセスの「QD1=Q1T1」の値です。
IOPSの目安
下表の通り、HDDとSSDのランダムアクセスリードライトQ1T1の数値は、
Random 4KB Q1T1 | ||||
---|---|---|---|---|
種別 | Read(MB/s) | Write(MB/s) | Read(IOPS) | Write(IOPS) |
SSD | 23.77 | 35.1 | 6,085 | 8,986 |
HDD | 0.48 | 5.54 | 123 | 1,418 |
2.5インチSATA3接続SSD
2.5インチ5,400rpmのHDD
筆者使用中のシステムストレージ2.5インチSATA3接続SSDと、ユーザーフォルダ用の2.5インチ5,400rpmのHDDですので、余り参考にはならないと思いますが、傾向は出ていると思います。
リードが、23.77(MB/s):0.48(MB/s)≒50倍で、IOPS換算6,085:123
ライトが、35.10(MB/s):5.54(MB/s)≒6倍で、IOPS換算8,986:1,418
程度の差があり、SSDのスピードの大きさが良く分かると思います。
この数値は、SSDの容量が大きいほど、価格が高いほど顕著に表れて来ます。
IOPSを含めQ1関連の記事は、下記にもありますのでご覧になって下さい。
まとめ
SSDの性能を表す一つの指標としてのIOPS(Input/Output Per Second) ⇔MB/sへの両変換計算ツールと、仕様表の見方、IOPSの目安などについてご紹介しました。
ぱっと見の数値に惑わされることなく、現実的な数値がどこにあるのか筆者自身も良く整理出来て良かったと思っています。
ご参考になれば、幸いです。
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