インチは、ヤード・ポンド法の長さ単位で主にアメリカ・リベリア・ミャンマーの3ヵ国だけでしたが、リベリア・ミャンマーはメートル法への移行作業が行われ、浸透しつつあるようです。
しかし、アメリカ社会一般では未だにヤード・ポンド法が使われ政府としても積極的にメートル法に改革する気はないようです。
インチ表示を見ても我々日本人は、ピンと来るものではありません。
そこでこの記事では2インチが正確に何cmか、水中ポンプやホース等の呼び径に使われるインチ表示についても解説して行きます。
2インチは何cm?
従って、2インチはキッチリ
2×2.54cm=5.08cm です。
(水中)ポンプの規格
(水中)ポンプにしても他の色々な機械類は、欧米諸国からの輸入品がそもそもの始まりである事から、未だにインチ表記が慣例的に使用されています。
一番の目的は、(水中)ポンプの揚水能力を表す指標として呼び口径が的確なためです。
呼び口径とは何か
それは口径が大きくなると想像される通り揚水量が増えるからです。
それで、ポンプの揚水能力を区分するために呼び口径(吐出管口径)が使われるのです。
揚水量は、全揚程と言って汲み上げる高さとの関連もありますが、その項目は又、別の機会にお話したいと思っています。
呼び口径(吐出管口径)と、揚水量の関係
揚水量(吐出量、流量)をQ(m^3/s)
ポンプ吐出管断面積をA(m^2)
吐出管の断面流速をV(m/s) とすると、
流量の計算式は、
Q=A・V (m^3/s) となります。
又、吐出管断面積Aは吐出管内径をd(m)とすると
A=(1/4)・π・d^2 で、吐出管断面積Aは管内直径の二乗に比例して大きくなりますから、流速が同じでも断面積が増える事による掛け算で揚水量が増えると言う事になります。
従って、吐出管口径(呼び口径)が大きいほど、揚水量が大きくなります。
(水中)ポンプの呼び口径はどこの寸法?
(水中)ポンプの呼び口径にはインチ表示が使われ、水の吐き出し側の内径を指します。
2インチだったら、吐出管内径は50mmです。
吐出管口径の大小により、吐出量、全揚程(水を最大何mの高さまで上げられるか)が変わって来ます。下記に市販製品より呼び口径、揚水量の一部規格を抜き出して表にしてあります。
揚水量と全揚程は、反比例の関係になります。
「水中ポンプ規格一覧表」
規格 | メーカー | ||
---|---|---|---|
アイム機械 | 荏原 | 鶴見 | |
口径(インチ) | 2 | 4 | 4 |
電圧(V) | 三相200 | 三相200 | 三相200 |
全揚程(m) | 10 | 15 | 22 |
吐出量(m3/min) | 0.18 | 1 | 0.6 |
ホースの規格
ホースの規格もインチを使用しています。
ホースの呼び径はどこの寸法?
ホースも配管も同じ事ですが、呼び径は「内径」の事です。
しかし、呼び径がピッタリと内径寸法を表しているのではなくて、ホース、配管の種類・規格、材質によって肉厚がまちまちで、あくまで「近似内径」と言う意味ですから、製品の種類によっては良く確かめる事が必要です。
下記に水道用ホースの市販製品より標準内径、標準外径の一部規格を抜き出して表にしてあります。
一般的な水道蛇口が、呼び径13(外径16mm)なので、
散水ホースとして一番流通の多いのが、内径15mm×外径20mmになります。
「水道用ホース規格一覧表」
呼び径 | 標準内径 | 標準外径 | |
---|---|---|---|
mm | インチ | mm | mm |
15 | 1/2 | 15 | 20 |
25 | 1 | 26 | 29 |
32 | 1 1/4 | 33 | 35.9 |
40 | 1 1/2 | 41 | 43.5 |
50 | 2 | 53 | 55.6 |
65 | 2 1/2 | 66 | 69 |
まとめ
2インチが正確に何cmかはお分かり頂けたと思いますが、(水中)ポンプやホース、配管の類は、圧力の掛かる物に対する肉厚や素材、構造の違いもあり「呼び径=内径」と完全に一致はしませんので、ご注意下さい。
- 2インチは正確に5.08cm、約ではありません
- (水中)ポンプ呼び径は、吐き出し口の内径寸法の事
- 水道用ホース、配管材料でも呼び径は「近似内径」の事
- 何れも、インチ系サイズを踏襲している事
2インチを越えるサイズについては、下記をご覧ください。
上記以外のインチ関連記事については、下記からご覧下さい。
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