自作PCの電源容量の計算方法!2020年の最新情報を元に徹底解説

私は、元々電子部品オタクでパソコンも触り始めて40年ちょっとになります。
今から40年以上前の1976年8月にNEC日本電気からTK-80マイコントレーニングキットが発売された時は、ぞくぞくとしたものです。

8万円くらいしたので、社会人駆け出しの給料では、おいそれと買えませんでした。

さて、自作PCにおいて電源の位置付けと言ったら何でしょうか?

CPUが頭脳とすれば、電源はパソコンに必要な電力を供給するもの、即ち心臓に該当するものではないでしょうか。

この電力がないといくら立派なCPUだろうと、20万円のグラフィックボードだろうと一切動きません。

人間だって、血液は酸素を体の隅々まで運んだり、栄養の供給や老廃物の運搬排出など生命を維持して行く上で必要不可欠なものです。

パソコンで、その血流に相当するのが電流であり、血圧が電圧のようなものですから、それを送っている心臓の役目が電源なのです。

この電力に不足が生じるとパソコンの動作に大きな支障を生じます。

そこでPC電源選びの最重要ポイントである電源容量の決定について、私が作成した電源容量計算機を使いながら、詳しく説明したいと思います。



【自分らしいPC電源の選び方】

この下にあるドロップダウンリストから始まるのが、電源容量計算機です。
CPUメーカーの選択から始めて、グラボの選択、各部品の規格数量などを入力していくだけで、必要な電源容量が計算されるようになっています。

200W以上からは、50W刻みで電源容量の規格が決まっていますので、10の位は50とか100単位に切り上げて決めて下さい。

注意点

電源選びで一番のポイントは、先ほどから言っている通り「電源容量」ですが、その中でも特に重要なのが、「+12Vラインの最大電流値」です。

この計算式では、合計電力量に倍率1.8~2.0を掛けて負荷率を50%前後にして必要電力量を決めていますので逆転することは絶対にないですが、自分が使おうとしているグラボのTDPがいくらで、その電流値と電源の+12Vラインの最大電流値との関係を良く確認しておく必要があります。

用語の説明①

倍率1.8~2.0を掛ける意味

コンセントから入力した100Vの交流をパソコンの部品が使えるそれぞれの電圧の直流に変換するのが、この電源ユニットの役目ですが、入力した電気が100%有効に変換される訳ではありません。

最高の変換効率でも94%であり、6%は概ね熱損失として無駄に失われます。
それも負荷率(電源ユニットが持つ力の半分)が50%の時にどの電源ユニットも最高の変換効率を示すことが分かっています。

50%の力の時に最高の変換効率を示すなら、元々2倍の設計をしておけば目一杯の使い方をしても50%の力しか使わないので効率が最高の状態で使えるということになりますね。

ということで、正味必要電力量に1.8~2.0の倍率を掛けるのは、そのような意味合いからするものです。

又、後述のTDPの解説にもありますが、実際の消費電力>TDPと言う関係と、PCの実際の使い方により消費電力に大きな変動が生じることから、電源ユニットの電力設計には概ね倍率1.8~2.0を使うのが常道となっています。

用語の説明②

TDPとは

TDPとは、Thermal Design Powerの略で、「熱設計電力」又は、「熱設計消費電力」と言います。
元々は、その部品がどれくらい発熱するのかによって、どれくらいの冷却システムを組まないといけないのかという指標を示すものです。

従って、本来のTDPの意味は一言でいうなら「最大放熱量」ということですが、この計算機では各パーツの消費電力量として使用しています。

しかし、CPUやグラボでは消費された電力の一部が熱に変わることから、最大消費電力はTDPより大きくなって当然です。
このことから、最大消費電力がTDPの1.5倍程度に上がることもあり、そのためにも電力設計では安全率を考慮して倍率1.8~2.0を設定しています。

最大電流値とは

電源ユニットには、直流+3.3V、+5V、+12Vなど電圧により使い道が決まっていますが、最大電流値とはそれぞれの電圧における最大に流せる電流量のことです。

電力とは

直流の場合は、電力(W)=電圧(V)×電流(A)  で表され、12Vの電圧で54Aの電流であれば 12×54=648(W) ということになります。

一般家庭用の電子レンジでは、600Wくらいが多いと思いますが、パソコンの必要電力もそれくらいというイメージですね。
ただ、100Vの交流電源では電力計算は直流ほど単純ではないですが、600Wであればざっと6Aの電流値となり、パソコンの+12V電源ラインであれば50Aとなります。片一方が小さければ、もう片方が大きくなるということですね。

例えば、下表のようにCPUにCore i5 9500(65W)、グラフィックボードにNVIDIAのGTX 780(250W)を選択したとすると、+12Vライン推奨最大電力は648W、推奨最大電流値は54Aです。

【計算例】

CPUメーカー INTEL 電力量(W) 電流値(A)
INTEL CPU型番 Core i5 9500 65 6
グラフィックボード NVIDIA GTX 780 250 21
+12Vライン電力・電流値 合計 315 27
+12Vライン推奨最大電力・電流値 推奨最大電力=推奨最大電流値×電圧12V 648 54
マザボ、メモリ、ストレージ他 一式 100
合計電力量 415
倍率 1.8
必要電源容量 747
購入電源+12Vライン最大電流値 ANTECNeoECO Gold NE750G 750W 744 62

マサボ、メモリその他の使用電力量を100Wとすると、合計電力量は415Wですが、これに倍率1.8を掛けた場合必要電源容量は747Wとなり、750Wの電源を用意すれば良いことになります。

そこで、先ほどの注意点の+12Vラインの最大電流値を例えば「ANTECNeoECO Gold NE750G」の仕様で確かめてみると、62AありOKということになります。

created by Rinker
ANTEC
¥9,618
(2020/02/16 23:56:03時点 Amazon調べ-詳細)

 

このことは、+12Vラインが1系統のシングルレーンタイプでは、そう心配は要らないのですが、2系統以上のマルチレーンタイプにおいては、特にグラボ側の最大電流値に注意が必要です。

用語の説明③

マルチレーンとは

2以上の電源供給ラインを持つと言う意味です。
つまり、電源ユニットでいうマルチレーンとは具体的には、CPUやグラボ用の+12V供給ラインが2つ以上ありますよということを表しています。

1本の電源供給ラインで、例えばCPUとグラボを接続していたとして、重いゲームの時にグラボの消費電力が跳ね上がり、CPUに供給電力不足が起った、というような場合、1本より、2本以上の独立した供給ラインを持つ方が安定性が高いだろうという発想ですが、実際にはシングルレーンでも安定回路があり、倍率による安全率もあり、変動量が大きくても安定して電力を供給できるようになっていますから、マルチレーンを選択する必要性は薄いと思います。

下記の例にもあるように供給ライン1本当たりの最大供給電流値が小さくなることもマルチレーンのデメリットです。



例えば、+12V 1が30A、もう一つの+12V 2が30Aの合計60Aだとすると、グラボの+12V 2ラインの電流の負荷率は70%に達し、冷却ファンはしょっちゅう回り、うるさいく、使えなくはないですが、長持ちしないでしょう。

+12V 2ラインの電流=250W/12V≒21A

負荷率=(21A/30A)×100=70%>推奨負荷率50%

マルチレーンでCPUのレーンはまず心配いらないですが、グラボレーンの負荷率が50%を越えるような電源容量を選ばないことが重要です。

従って、シングルレーンの電源が使い勝手が良くてオススメです。
最近の電源は、グラボの大型化の影響もありシングルレーンが多いですから、敢えてマルチレーンの電源を探す必要はないと思います。

 


 

最重要の電源容量を決めれば、後は配線整理に便利なプラグイン対応品とか、80PLUS認証をどうするか、メーカーはどうだとか、シリーズはどうするかなどのことになりますから、ここからは価格.comのスペック検索などを利用してご自分に合った電源をお選び下さい。

価格.com電源ユニットスペック検索

 

出典元:価格.com、2020年1月27日時点

メーカー名

メーカー数は、ざっと数えても100社位ありますね。
自分の好きなメーカーとか、価格重視とか、選び方は人それぞれなので、ここでは特にメーカーの選択基準は指定しません。

出典元:価格.com、2020年1月27日時点

シリーズ名

サイズの「剛短」とか、KEIANの「静か Gold」シリーズとかありますね。

出典元:価格.com、2020年1月27日時点

対応規格

ATX、EPS、SFX、TFX、BTX、FlexATXとありますが、市場の主流はATXですね。

EPSは、サーバーやワークステーション向けです。

近頃は、ATXとEPX両方の規格を備えた製品も数多く出ています。
そのため、容量の問題と補助電源用のコネクタがそろっていれば、複数のCPUやグラフィックボードの使用が可能となります。

SFXやTFXは小型パソコンなどに使われる規格で、PCケースと一体となった製品もあります。

コネクタ類

プラグイン対応

プラグイン対応にすると、ペリフェラルコネクタなど不要なコネクタは電源に取り付けなくても良いので、電源回りがすっきり出来て、PCケース内のエアーフローも良くなりますからオススメですね。

メインケーブルは、電源本体に付いているセミプラグイン方式もあります。

メインコネクタ

マザーボード用の電源です。24ピンと、20ピン+4ピンのタイプがあります。

CPUコネクタ

そのままCPU用の電源です。
サーバー、ワークステーション用のEPSの8ピン対応が多く、4ピン+4ピン×1~2のタイプが多いです。

PCI-Expressコネクタ

ハイエンドグラフィックボードの補助電源用です。
もともと、6ピンですが、高電力用に6ピン+2ピン×4のタイプが多いです。

SATAコネクタ

SATA接続規格のHDD、SSD、光学ドライブ用の電源です。
これは、数が多い方が便利です。

注意点は、いくらSATAでもSATA3の6Gb/sタイプが何個付いているかですね。
SATA2だと半分の3Gb/sですからね。

ペリフェラルコネクタ

旧規格であるIDE接続のHDDや光学ドライブ用ですが、現在はほぼ使われません。

FDDコネクタ

今では見かけることもないですが、一部では今でも使われているのでしょうね。一般的には無用です。

80PLUS認証

電源には、80PLUSという電力変換効率80%以上を備える製品に与えられている認証があり、上からTitanium、Platinum、Gold、Silver、Bronze、Standardと6種類のランクが変換効率の順にあります。

変換効率が80%以上のグレードでBronze以上の認証製品では、電力負荷が50%で変換効率が最高となることから、負荷が50%での使用が最も経済的です。

出典元:価格.com、2020年1月27日時点

製品市場で一番多いのがGoldですね。
ランクが上に行くほど変換効率が向上し、発熱損失の減少によって冷却ファンの回転数や回転時間の低下による静音化、コンデンサー等の劣化低減効果が得られ長寿命化のメリットがあります。

一般的使用でオススメなのは、Goldですね。

まとめ

冒頭で述べた通り、電源選びで一番重要なポイントは「電源容量」の検討です。
それも、CPUとグラフィックボードの+12Vラインの負荷によって決まると言って過言ではありません。

そのためにも、この電源容量計算機がお役に立てることを願っております。



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です


*