主にシステムストレージとして使われるSSDの価格は、7~8年ほど前には1GB当たりの単価が75円以上(HDDは、1GB当たり4円位で20倍)して高嶺の花だったものが、今では14円前後(500GBクラス)と1/5位に下がり、起動の早さ、ソフトの軽快感、シャットダウンの早さなどの優位性でHDDを凌駕し、ほぼ置き換わった感があります。
筆者のサブノートPCは、2017年に中古購入して即座にシステムストレージを500GBのHDDから240GBのSSDにクローン換装して、そのスピード感を堪能していました。
当時、筆者のSSD選択の第一要素は価格で、次にSATA3接続のSSDの読み書き速度を2000~3000MB/s級に爆速化するソフトが無料でダウンロード出来るという誘惑を大きな決め手としましたが、この記事ではまっとうに故障率の違いによる信頼度という客観的な数値を基にSATA3接続コンシューマー向けのおすすめのメーカーをご紹介して行きたいと思います。
おすすめのメーカー
現在、一般消費者向けのエントリークラスとして流通している120GBから1TBまでの各社SSDの信頼性を基におすすめのメーカーをピックアップしました。
120GBクラス
- 120GBクラスのおすすめのメーカーは、「PLEXTOR」です。
- 書き込み耐性TBWは、2位のINTELの144TBの半分の70TBしかありませんが、平均故障寿命MTTFがINTELの1,600,000時間に対して、2,500,000時間と頭抜けており、5年信頼度において98%台で、2位以下に約1%の差を付けています。
この信頼度の違いは大きいですね、ハードな使い方をしないのであれば、「PLEXTOR」です。
プレクスター (PLEXTOR) は、日本の電機メーカー・シナノケンシ株式会社が、その開発した情報機器や音響機器、印刷機器に用いるブランド名[1]および、台湾のPHILIPS & LITE-ON DIGITAL SOLUTIONS (PLDS) [注 1]が展開するソリッドステートドライブ (SSD) のブランド名(#ソリッドステートドライブ参照)。
ブランド名の由来は、ラテン語で「織る」を意味する「plex」と、シナノケンシの主要製品である電動機を意味する「motor」(モーター)を組み合わせた造語[3]。商標権はシナノケンシが保有している[4]。ファンからの愛称は「プレク」
引用:ウィキペディア
次点は、「INTEL」です。
5年信頼度が97%台で、おまけにTBWが144TBというのは、すごいですね。
そこに惚れ込む方には、良い選択と思います。
120GBクラスにおいては、3位の「Crucial」は5年信頼度は「INTEL」と同じ97%台ですが、TBWは40TBと低く圏外です。
メーカー別信頼度一覧表
順位 | メーカー名 | 容量 | 平均故障寿命 MTTF(時間) | MTTF(年) t=MTTF/(365*24h) | 故障率(%) λ=(1/MTTF(年))*100 | 5年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*5)*100 | 10年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*10)*100 | 総書き込み可能 容量TBW(TB) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | PLEXTOR | 128GB | 2,500,000 | 285.4 | 0.3504 | 98.263 | 96.557 | 70 |
2 | INTEL | 128GB | 1,600,000 | 182.6 | 0.5476 | 97.299 | 94.671 | 144 |
3 | Crucial | 120GB | 1,500,000 | 171.2 | 0.5841 | 97.122 | 94.326 | 40 |
250GBクラス
- 250GBクラスのおすすめのメーカーは、120GBクラスと同じく「PLEXTOR」です。
- MTTFにおいて、肉薄する「CFD」社も2,000,000時間に乗せて来ていますが、故障率が0.3%、信頼度が98%台なのは「PLEXTOR」社製品のみです。
- ただ、2位の「CFD」や「Crucial」、「WesternDigital」、「SanDisk」、「INTEL」、「SAMSUNG」の各社製品も5年信頼度は全て97%台で、TBWに至っては「PLEXTOR」も含めて100TBから140TBと団子状態なので、どのメーカーを選んでも間違いはないでしょう。
メーカー別信頼度一覧表
順位 | メーカー名 | 容量 | 平均故障寿命 MTTF(時間) | MTTF(年) t=MTTF/(365*24h) | 故障率(%) λ=(1/MTTF(年))*100 | 5年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*5)*100 | 10年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*10)*100 | 総書き込み可能 容量TBW(TB) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | PLEXTOR | 256GB | 2500000 | 285.4 | 0.3504 | 98.263 | 96.557 | 140 |
2 | CFD | 250GB | 2000000 | 228.3 | 0.4380 | 97.834 | 95.715 | 120 |
3 | Crucial | 250GB | 1800000 | 205.5 | 0.4866 | 97.596 | 95.250 | 100 |
4 | WesternDigital | 250GB | 1750000 | 199.8 | 0.5005 | 97.529 | 95.118 | 100 |
5 | SanDisk | 250GB | 1750000 | 199.8 | 0.5005 | 97.529 | 95.118 | 100 |
6 | INTEL | 256GB | 1600000 | 182.6 | 0.5476 | 97.299 | 94.671 | 144 |
7 | SAMSUNG | 250GB | 1500000 | 171.2 | 0.5841 | 97.122 | 94.326 | 150 |
500GBクラス
- 500GBクラスのおすすめのメーカーも、120GB、250GBクラスと同じく「PLEXTOR」です。
- MTTFにおいて、肉薄する「CFD」社も2,000,000時間に乗せて来ていますが、故障率が0.3%、信頼度が98%台なのは「PLEXTOR」社製品のみです。
- ただ、2位の「CFD」や「Crucial」、「WesternDigital」、「SanDisk」、「INTEL」、「SAMSUNG」の各社製品も5年信頼度は全て97%台で、TBWに至っては「PLEXTOR」も含めて、200TBから300TBと団子状態なので、どのメーカーを選んでも間違いはないでしょう。
メーカー別信頼度一覧表
順位 | メーカー名 | 容量 | 平均故障寿命 MTTF(時間) | MTTF(年) t=MTTF/(365*24h) | 故障率(%) λ=(1/MTTF(年))*100 | 5年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*5)*100 | 10年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*10)*100 | 総書き込み可能 容量TBW(TB) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | PLEXTOR | 512GB | 2,500,000 | 285.4 | 0.3504 | 98.263 | 96.557 | 280 |
2 | CFD | 480GB | 2,000,000 | 228.3 | 0.4380 | 97.834 | 95.715 | 240 |
3 | Crucial | 500GB | 1,800,000 | 205.5 | 0.4866 | 97.596 | 95.250 | 180 |
4 | WesternDigital | 480GB | 1,750,000 | 199.8 | 0.5005 | 97.529 | 95.118 | 200 |
5 | SanDisk | 500GB | 1,750,000 | 199.8 | 0.5005 | 97.529 | 95.118 | 200 |
6 | INTEL | 512GB | 1,600,000 | 182.6 | 0.5476 | 97.299 | 94.671 | 288 |
7 | SAMSUNG | 500GB | 1,500,000 | 171.2 | 0.5841 | 97.122 | 94.326 | 300 |
1TBクラス
- 1TBクラスのおすすめのメーカーも、120GB、250GB、500GBクラスと同じく「PLEXTOR」です。
- 書き込み耐性TBWは、「CFD」が1170TBと断トツに頭抜けており、1位PLEXTORの2倍なのは驚きです。
- ただ、2位の「CFD」や以下「Crucial」、「WesternDigital」、「SanDisk」、「INTEL」、「SAMSUNG」の各社製品も5年信頼度は97%台で、TBWも400TBから600TBと各社優劣付け難い所です。
メーカー別信頼度一覧表
順位 | メーカー名 | 容量 | 平均故障寿命 MTTF(時間) | MTTF(年) t=MTTF/(365*24h) | 故障率(%) λ=(1/MTTF(年))*100 | 5年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*5)*100 | 10年信頼度(%) R=(e^(-λ/100)*10)*100 | 総書き込み可能 容量TBW(TB) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | PLEXTOR | 1TB | 2,500,000 | 285.4 | 0.3504 | 98.263 | 96.557 | 560 |
2 | CFD | 1TB | 2,000,000 | 228.3 | 0.4380 | 97.834 | 95.715 | 1170 |
3 | Crucial | 1TB | 1,800,000 | 205.5 | 0.4866 | 97.596 | 95.250 | 360 |
4 | WesternDigital | 1TB | 1,750,000 | 199.8 | 0.5005 | 97.529 | 95.118 | 400 |
5 | SanDisk | 1TB | 1,750,000 | 199.8 | 0.5005 | 97.529 | 95.118 | 400 |
6 | INTEL | 1TB | 1,600,000 | 182.6 | 0.5476 | 97.299 | 94.671 | 576 |
7 | SAMSUNG | 1TB | 1,500,000 | 171.2 | 0.5841 | 97.122 | 94.326 | 600 |
どの容量がベストなの?
120GB、250GB、500GB、1TBクラスと主に流通している容量別におすすめのメーカーをご紹介しました。
しかし、どの容量がベストなのかはその人その人の使い方で一概には言えませんが、ここで冒頭からご紹介している通り一般消費者コンシューマー向けとすれば、
- 最低250GBクラス、将来性を考えるのであれば500GBクラスがベストだと思います。
まとめ
今回の調査結果では、「PLEXTOR」社が全クラスを制覇しましたが、群雄割拠のSSD業界では次々と新しい技術が生まれ、安泰とは言えないので注視して行く必要があると思います。
又、NVMe接続のM.2 SSDもその高速読み書き速度の桁違いの速さ、省スペース性などで、使用される機会が益々増えるでしょうが、SATA3接続のSSDにはNVMe接続のM.2にない熱安定性、技術革新、価格の安さや、長年の定評からも今後も使われて行くのではないかと思います。
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