1級土木施工管理技士が語る経験記述の対策と解答例【2019】

1級実地試験終わりましたね。経験記述は2年連続で品質管理が出ました。
選択問題は、10年間過去問と応用力を付けておけば合格可能な例年並みか、やや易し目だったようです。

後は、来年1月16日(木)の合格発表を待つのみですね。

私が、1級土木施工管理技士試験を受けたのは、忘れもしない阪神淡路大震災のあった平成7年でした。

JR神戸線が寸断され、部分的に開通していた阪急神戸線と臨時バスを乗り継いで、尺取虫のような経路で、大阪の勤務先まで3時間以上かけて痛勤したものです。

しかし、良い事もありました、通勤時間がたっぷりあったので、その間、毎日ずっと勉強が出来ました。
そのお陰で、無事に合格出来ました、人生何が幸いするか分かりません。

私が、この記事を書こうと思ったきっかけは、1級土木実地試験の経験記述の参考になるサイトが少ないと言う事です。

記述問題の解答試案はあるのですが、経験記述の具体的解答例を示してくれる所が少なく、どのように記述したら良いか悩んだものです。

そこで、この資格の取得者として、現場経験者として、具体的な経験記述解答例を示して、少しでも皆さんのお役に立てればと思い記事にしました。


2016、2017と2年続けて安全管理が出され、2018、2019年と更に2年続けて品質管理が出され、完全に裏を
描かれた感じでしたが、来年はそうなると工程管理しか残っていませんが、こればかりは分かりません。

また、安全管理か品質管理かどうなりますか。

取り敢えず、工程管理の具体的な解答例を記載します。
参考にして下さい。



経験記述について

さて本題ですが、

工事の工程管理、品質管理、安全管理を現場状況での技術的課題、課題解決の為の検討項目、検討理由、採った対応処置、対応処置に対する評価を現実のものとして試験官に納得させる事が、合格のキーです。

刑事事件で例えるなら、犯人しか知り得ない情報、即ち

現場を本当にやった事がある人しか知り得ない、現実味のある体験に基づく経験記述、これが一番大事です。

多少、文章が下手くそでも、漢字を知らなくても、切実な現場実体験記述が何よりも迫力があるのです。

只、そこには専門用語の配置が必然ですし、何でも経験した事だけ単純に書けば良いと言うものではありません。

現場で体験した技術的課題です。
その問題がその工事の工程、品質、安全に大きく関わるような事を記述しないとダメです。

現場代理人が決まらないとか、協力会社が確保できないとか、そう言う単純な事を聞いているのではなく、技術的な課題です。

出題項目

当然ながら、工程管理、品質管理、安全管理がメインになります。
一時期、施工計画とか環境対策とか出た時もありましたが、その3つを前以って準備しておけば問題ないと思います。

経験記述問題のスタイルは、このような形になっていると思います。

(1)工   事    名 

○○○○○○工事

受験申請時に書いた契約書通りの工事名を、正確に記載して下さい。

(2)工事の内容

       発注者名 ○○市土木事務所など

       工事場所 ○○市○○町地先など

       工       期 平成   年   月   日~平成   年   月   日

       施  工  量 工事の主要な工種と数量を列記する、全部記載する必要はない

(3)工事現場における施工管理上のあなたの立場

現場代理人、主任技術者、工事主任、工務主任等、どの設問が出ても無難に対応できる立場が良いでしょうね。



工程管理について

出題は、このようになっていると思います。

上記工事の現場状況から特に留意した[工程管理]に関し、次の事項について、解答欄に具体的に記述しなさい。

1.具体的な現場状況と特に留意した技術的課題
2.技術的課題を解決するために検討した項目と検討理由及び検討内容
3.技術的課題に対して現場で実施した対応処置とその評価

1.2.3技術的課題、解決するための検討した項目と検討理由及び検討内容、実施した対応処置とその評価を一つずつの事例でまとめて記載して見ます。

1.具体的な現場状況と特に留意した技術的課題に、どんなものがあったか?

(技術的課題①)

当初設計の中に、幅2000×高1500の現場打BOXカルバート工があり、煩雑な配筋、型枠の組み立て、打設、養生、脱型までに4週間程度の工程を要する事から、この短縮が大きな課題となった。

2-1.その技術的課題に対して、どのような検討を行ったか?

(検討項目①)

①現場打を止めて、工場製作に変更する。
②プレキャスト製品の活用(上部のヘッドスラブ、両側面のサイドウォール、底部のフーチングの4断面)

2-2.検討した理由は、何か?

(検討理由①)

①検討項目①は、受注生産であるが工場で製作する事により、一連の手間が省かれ、その分他工種に注力出来る。
②検討項目②は、検討項目①の工場受注生産より既製品である為、更に工程短縮可能となる(サイズさえ合えば)

3-1.検討した項目に対して、どのような処置を行ったか?

(対応処置①)



検討項目①の受注生産は問い合わせした所、納期1ヶ月半となり工期割れの恐れがあり不採用とし、サイズも合致したので②のプレキャスト品を採用した。

3-2.対応処置を行った結果は、どうであったか?

(対応処置①に対する評価)

プレキャスト品を採用した事により、現場打ちなら4週ほど掛かる工程が10日程度で済み、大幅な工程短縮が得られ、前後作業にも支障を与える事なく無事に工期内竣工が可能となった。

 

このように、現場でどんな技術的課題があり、それを解決するためにどのような検討を行い、何故そのような検討を行ったか理由を述べて、そして、どんな対応処置をし、処置した結果評価はどうだったかと、

一から十までよくぞそこまで根掘り葉掘り聞けるものだと感心しますが、試験ですから仕方ありません。

 


 

2つ目の技術的課題です。

1.具体的な現場状況と特に留意した技術的課題に、どんなものがあったか?

(技術的課題②)

長尺側溝工の設置が数箇所に分散している為、施工効率が悪く工程長期化が問題となった。

2-1.その技術的課題に対して、どのような検討を行ったか?

(検討項目②)

端部施工の効率化が出来ないか。

2-2.検討した理由は、何か?

(検討理由②)

終端の端尺加工は、現場合わせで切る場合がほとんどで、それが結構手間取り、作業待ちとなり人件費の無駄になる事と、現場毎に切断加工、据付とやって行くと、これ又、施工効率が悪い。

3-1.検討した項目に対して、どのような処置を行ったか?

(対応処置②)

端尺切断は現地では行わず、又、各施工箇所の終端のみ残して真物(既製品サイズ)だけ先に全箇所設置して、残しは砕石復旧しておき、各箇所終端長上下左右4ヶ所を正確に寸法取りした上で、資材置き場で一斉に切断加工しておき、後日各箇所一斉に施工して仕上げる事とした。

3-2.対応処置を行った結果は、どうであったか?

(対応処置②に対する評価)

終端加工の現場非施工と、現場一斉施工により作業待ちの無駄や、工程長期化の問題が抑えられ、工程短縮に寄与した。

以上2点、具体例を挙げて見ました。

ちょっと理想っぽい点もあるかも知れませんが、書いた事柄は事実起きた事です。
また、実際の現場では、色んな事があると思いますが工事途中で起きた問題点より、着手前に予想される問題点提起した方が、工事に取り組む姿勢として評価が高いと思います。

しかし、途中途中で起きた問題も現実味があってそれはそれで良いのかも知れません。
あまり深く考えなくても良いと思いますが、そこから先は、各人でお考え下さい。

記述は、1~2点ほど問題を書くようにしたら良いと思います。あまり多すぎても焦点がボケますから。

工程短縮のキーワードとして、現場打ちからプレキャスト品の採用と言うのが他の工種でも使えると思います。

以上、工程管理についてでした。



品質管理と安全管理について少し

品質管理で書き易い一般的な項目とすれば、コンクリート関係、暑中、寒中コンクリートの品質管理や、舗装関係では合材の温度管理等ですね。

安全管理と言えば、品質や工程に比べて少し抽象的で難しい項目ですが、何も事故防止だけでなく、安全衛生の面から攻めるのも手だと思います。

注意事項

既にご承知の事と思いますが、安全確保の為、ガードマンの人数を増やしたとか、そんな単純な話は誰でも書けますし、そのような技術的課題はダメとなっていることはご存知と思いますが、念の為申しておきます。

又、丸写しは絶対お止め下さい、これはあくまでヒントですから。
皆が皆、同じ内容では変ですし、俺一人位と思う人が1000人居たとしたら大変ですよ。

同じような回答だと、嘘だとばれます。

なぜなら試験(採点)官同士の連携で似たような解答についても話合われる、というような話を風の噂で聞いたことがあります。

もし、そこで同一ソースと判断されれば、その時点で他の記述問題が出来ていても一発で不合格になるそうです。

虚偽記載をするような人に、国家資格を保有する資格はないという考えですね。
せっかくの苦労が水の泡です、絶対にそれだけは止めて下さい。

あくまで、実体験に基づいた真実を書いて下さい。

この記事は、先ほど申しましたようにあくまでヒントです、このように書けば必ず受かると保証するものではありません。

自己責任でよろしくお願いします。

まとめ

最後にもう一度経験記述のポイントを言いますが、

現場を本当にやった事がある人しか知り得ない、現実味のある体験に基づく経験記述、これが一番大事です。

あ~これは実際にやってないな、作り話だなと判断されたら、難しいと言う事です。
これも、風の噂で試験官のつぶやきを聞いた事がある人から、聞いた話ですけどね。

資格を取るのは、容易な事ではありませんが、努力した時間の多寡により合格率は変化します。

一度取れば、一生あなたのものです。

頑張って下さい!!

1級造園施工管理技士実地試験に関する「1級造園施工管理技士の実地試験!経験記述の解答例を徹底解説!」の記事もupしましたので、ご関心のある方はご覧になってください。



2件のコメント

  • もふもふ

    はじめまして。
    今年初めて1級土木を受け学科に合格したので
    実地に挑みます。
    大変参考になりました!
    ありがとうございました。

    • こちらこそ、はじめまして。
      学科試験合格おめでとうございます。
      この度は、コメントを頂きありがとうございます。
      お返事が大変遅れて申し訳ございませんでした。
      10/6実地試験、是非頑張ってください。

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