SSDのフォーマット形式の種類とそれぞれの特徴について解説!!

HDD、SSD

皆さんSSDやHDDを購入して最初に行う事がフォーマット(初期化)ですよね。

価格が少し高めのSSDやHDDでは、最初からフォーマットしてくれていて直ぐに認識可能となっている製品もあるのですが、普通はフォーマットしなければなりません。

筆者も10数年前からSSDを使い始めて何度もフォーマットして来ましたが、慣れていない方にとっては、どの形式にしたら良いのかもあって面倒ですよね。

そこで、この記事ではSSDやHDDをフォーマットする場合、OS別にどんな形式を選べば最善なのか、その種類と特徴、メリット・デメリットなどについて解説させていただきます。

フォーマット形式の種類と特徴

フォーマット形式には、NTFS、APFS、HFS+、exFAT、 FAT32の5種類がありますが、

結論から言うと、

  • Windows用にはNTFS
  • Mac OS用にはAPFS
  • WindowsとMac OSのUSBメモリ、外付けSSD、HDD等に対応させるならexFAT

この三択を承知されていれば問題ないでしょう。

下記にそれぞれのフォーマット形式の特徴一覧表を掲載しますから、最後までご覧下さいね。

「フォーマット形式特徴一覧表」

ファイル形式特徴
NTFS・基本的にはWindows専用
・Macでの読取りのみ可
・ジャーナリング機能あり
・古いWindowsでは使用不可
・内蔵ドライブ用途
APFS・Mac専用
・スナップショット機能あり
・HFS+の後継形式
・SSDに最適化
・内蔵ドライブ用途
HFS+(MacOS拡張)・Mac OS拡張用途(APFS下位互換)
・ジャーナリング機能あり
・HDD用途に最適化(古い形式)
・内蔵ドライブ用途
exFAT・Windows、Macの両用途可
・ジャーナリング機能なし
・Mac「TimeMadhine」アプリ使用不可
・内蔵ドライブ不可
・USBメモリ用途
FAT32・Windows、Macの両用途
・ファイルサイズ4GBまでの古い形式
・USBメモリ用途

次に、それぞれの形式の特徴とメリット・デメリットを説明して行きましょう。

 NTFS形式の特徴!メリット・デメリットも

NTFS形式は、Windows XP、Vista、7、8、10、11と続くNT系のOS系列で使用可能なフォーマット形式です。

 NTFS形式の特徴

NTFSフォーマット形式は、Windowsw XP以降のOSで内臓ドライブ用に一般的に使用され、データ保護機能性も高いのでその機能を良く知って使えば、Windows上において有効な形式です。

NTFSは、Windowsで一般的に使用されるフォーマット形式
データ保護機能がある
S.M.A.R.T機能により突然のドライブ破損が防げる
ここで大切な事は、ジャーナリング機能と言うデータ障害復旧性が備わっているにしても、S.M.A.R.T機能を適切に使用して突然のドライブ消失には注意すべきです。
具体的には、代替処理保留セクタ数C5値などの増え方を慎重に監視する事が重要です。
SSDやHDDの寿命を見極めるのに大切な要素のC5値の見方については、下記小ブログ記事に詳しく記していますので、ご興味のある方はご覧になってください。

NTFS形式のメリット・デメリット

NTFS形式のメリット

NTFSフォーマット形式は、FAT32のような1ファイル4GB制限や、ボリュームサイズも2TB制限がなく大きなボリュームサイズのドライブの利用が出来て汎用性が高いです。
又、圧縮機能がありディスク領域を有効活用出来ます。

1ファィル容量制限が事実上なし、ボリューム全容量も2TB越えが可能
ジャーナリング機能
圧縮機能
記録媒体の高堅牢性(S.M.A.R.T機能)
高いセキュリティ(BitLocker暗号化)

NTFSフォーマット形式で特筆すべきは、Microsoft製のBitLockerドライブ暗号化に対応している事で、万が一ドライブ単体が盗難に遇ってもロックを掛けておけば48桁の回復キーを入力しない限り読み取られる事がない高い安全性がある事です。

これは、PCにパスワードが掛かっているから安全だと言う事ではなくて、それはサインインにパスワードが必要なだけであって、ストレージにパスワードが掛かっている訳ではありませんから、それを脱着されて別のPCに接続されれば丸裸状態になり、簡単にデータが見られてしまいます。

ここで、ドライブにBitLockを掛けておけばストレージ自体に暗号化キーが掛かっているため、外されても解読が出来ない安全性を担保すると言う事になります。

 NTFS形式のデメリット

NTFSフォーマット形式のデメリットと言うものは、Window上では取り立ててありませんが強いて言うならWindows専用と言ってもMe以前には使用出来ませんし、当然Macにも事実上対応不可です。

Windows専用と言っても9x系OS系列のMe以前には対応不可
Macでも読取りは可能だが、書き込みが出来ない

 

ジャーナリング機能とは
この機能は、
ファイル処理の内容を記録しておく事で、もしそれが何らかの障害で中断してもログを参照する事で、どの時点までの処理が正常だったか、どこからの処理が異常だったか分かるように出来て復旧処理に貢献する優れモノ。

一般的にジャーナリングとは、メンタルヘルスの手法の一つで、頭に思い浮かんだ事をそのまま書き記す事で、自分や物事を客観視して、「書く瞑想」とも言われているんですよね。

そこから、ITの関係では具体的にはコンピューターの稼働状況、データの送受信などの記録、即ち「ログ」を書き留めておく(ロギングと言う)事で、直ぐにデータの復旧処理が出来る機能なんです。

APFS方式の特徴!メリット・デメリットも

APFSは、Mac OS10.13以降のバージョンで使用される専用フォーマット形式
Windowsには使用出来ません。

 APFS形式の特徴

前形式のHFS+(MacOS拡張)はHDDに最適化されていましたが、APFSフォーマット形式はフラッシュメモリを使用するSSD(USBメモリも)に最適化された形式で、高速操作、高セキュリティの特徴を持ちます。

SSDとフラッシュメモリに最適化されたファイルシステム
スナップショット機能
(ストレージ上のある時点の状態を切り取り記録する機能)
マルチスレッドによるファイルコピーの高速化
(並列化処理と、変更分書き込み回数2回→1回に減少させているためHFS+の2倍高速化を実現)
パーティションがGPT(GUID)に限定、MBRでは使用できない
(WindowsのようにCSM(旧BIOSとUEFIの互換性機能)がなく、GUIDしか使用不可)
64ビットファイル管理
(HFS+の32ビットに対して64ビットのファイル管理)
以上のように、優れた特徴を持つAPFSフォーマット形式ですが、Windows用のNTFS形式のように
CSM(旧BIOSとUEFIの互換性)機能がなく、GUIDしか使用できないのは融通性に欠ける面はあります。しかし、次のメリットの章でも述べますが一番の特徴は「コピーオンライトファイルシステム」にあります。
これは、ファイルコピーが一瞬で終わるシステムで、コピーファイルを行っても実際には作らず、
共有していると言う参照情報のみを記録するので一瞬でコピーが終わる優れた機能です。
APFS形式のメリット

すべてのAppleデバイスの標準フォーマットで、多くのデバイスに適用可能な汎用性を有します。

Mac、iphone、Apple Watch、Apple TVなどすべてのAppleデバイスの標準フォーマット
コピーオンライトファイルシステム
自由度の高いパーティションサイズ
ディスクの暗号化機能
一番の特徴・メリットであるコピーオンライトファイルシステムの他には、ネイティブに対応するディスクの暗号化機能があり、高セキュリティにも優れます。
APFS形式のデメリット

APFSフォーマット形式には、大きなデメリットと言うものはありませんが、強いて言うなら圧縮機能がない事、古いMacでは利用不可である事です。

NTFS形式のように圧縮が出来ない
Mac OS Sierra 10.12以前搭載の古いMacでは利用不可

 

FAT32形式の特徴

全てのWindows、Macで対応可能、構造が簡単なため現在でもUSBメモリなどで広く利用されていますが、1ファイル4GB、ボリューム2TB以下の制限があります。

FAT32形式のメリット

前述の通りOSを問わないので、小さいファイルサイズの操作においては、使い勝手が非常に良いです。

市販のUSBメモリに最適で、Windows、Mac、Linux OSなどに対応し汎用性が高い

 

FAT32形式のデメリット

何と言っても1ファイルサイズ4GBの壁があり使い勝手が悪い。
又、古いファイルシステムのため、セキュリティ認証、暗号化などに非対応なのも現代に則しません。

1ファイル最大サイズ4GB、全体対応可能容量は最大で2TBの制限がある
セキュリテイ機能が全くない
圧縮機能なし
1ファイル最大サイズ4GB、全体対応可能容量は最大で2TBの制限がありますが、windowsでは最大パーテーションボリュームは32GBの制限が実際にはあります。

exFAT形式の特徴

Windows、Mac OS、Androidに対応し汎用性が高く、USBフラッシュメモリに最適化された新しい規格のFAT形式です。

exFAT形式のメリット

FAT32の後継フォーマット形式であるexFATは、FAT32の良い所を受け継ぎながら様々にあった制限が改善され、使い勝手が向上しました。

使用OSに拘らない
(FAT32の後継であるこの形式は、システム構成が単純なため)
ファイルサイズ(実装では256TB)、ボリュームサイズに制限はない
(FAT32形式では、ファイルサイズ4GB以上のファイル操作が出来なかったが、可能)
ファィルとフォルダ名の文字数が255文字に増加
(FAT32形式では大小文字問わず8文字以下だった)
冒頭の使用OSに拘らない以外に、ファイルサイズ4GBの壁がなくなり、実用上の問題が解決されています。
exFAT形式のデメリット

前形式のFAT32での汎用性の高さなど良い所を受け継ぎ、1フアィル取り扱い容量制限4GBの壁もなくなり改善はされていますが、データ保護性、セキュリティの面で安全性は低いです。

突然の障害(停電等)にデータを守るログ機能がない
内臓ドライブには使用不可
暗号化機能がない(手動では可能)
USBフラッシュメモリや外付けHDD、SSD用途に適し、内臓ドライブには使用出来ない事、データ保護機能、セキュリティ機能がない事を承知で使用する分については、良いフォーマット形式だと思います。

パーティション分割形式について

ディスクのフォーマット形式には、大別して前述のNTFS、APFS、exFAT、FAT32等があり、その中にパーティション分割する形式としてMBRとGPT(MacではGUID)があります。

MBRは、AppleシリコンMac、INTEL Mac、Power PC Macでの起動ディスクには使えない
現在、Windowsパソコン、AppleシリコンMac、INTEL Macでは、GPT(GUID)にしておけば問題ない
但し、Windowsの古いBIOS或いはUEFIと旧BIOSとの互換性機能CSMを有するマザーボードであればMBRでも起動ディスクとして利用出来る

Windowsにおけるパーティション分割形式の変換については、下記の小ブログ別記事に詳細を記載していますので、興味のある方はご覧ください。

 

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まとめ

使用するOSに適したフォーマット形式は、

  • Windows用にはNTFS
  • Mac OS用にはAPFS
  • USBメモリ等に対応させるなら、両方のOSに使えるexFAT

現代のパーティション分割形式の主流は、

  • Windowsであれば、GPT
  • Macであれば、GUID

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