読者の皆さんも、この記事の筆者の私も同じだと思うのですが、普通のタクシーに乗る機会は結構多いと思います。
コロナ禍も明けた事だし、最近ちょっと家族5人で旅行でもしようかと計画した時に、行先が地理不案内なのでタクシーを一日借り切っておすすめの観光地を運転手さんに案内してもらう事を考えました。
でも、5人となると普通のタクシー1台では乗れなさそうだし、2台を借り切ると高くつきそうだし、更に家族がバラバラになって移動するのも楽しさが半減します。
そんな時に、1台のタクシーで5人が一度に乗れて、ゆったりとした移動が出来れば楽しく旅行が出来て申し分ありませんね。
一人二人でタクシーを乗る機会は数多くあっても、一体普通のタクシーで何人まで乗れるのか、又、多人数乗車時のタクシーの利用の仕方(予約の要否、料金など)は、私も含めて知らない事が多いと思います。
そこで、この記事では一般タクシー、ジャンボ、ワゴンタクシーなどの乗車可能人員表や、シートベルトの数が足らない時に知っておくべき考え方、ジャンボ、ワゴンタクシーの利用の仕方、料金の問題、又、ほとんど縁の無いハイヤーとタクシーの違いなどについてあれこれ調べてみましたので解説させて頂きます。
タクシーの乗車定員は何名?
車種別定員
一般的に言えば、
そこに、12歳未満の子供が入って来る場合も含めて下表に大人と子供の組合せにおける運転手を除いた実際に乗れる乗車定員表を掲載します。
「車種別乗車定員表」
車種別 | 乗車定員 | 乗車可能人数 | 運転手 | 大人人数 | 子供人数 |
---|---|---|---|---|---|
普通タクシー | 5 | 4 | 1 | 1 | 4 |
2 | 3 | ||||
3 | 1 | ||||
4 | 0 | ||||
軽タクシー (介護、福祉タクシー、EV) | 4 | 3 | 1 | 1 | 3 |
2 | 1 | ||||
3 | 0 | ||||
ジャンボタクシー (アルファード) | 7 | 6 | 1 | 1 | 7 |
2 | 6 | ||||
3 | 4 | ||||
4 | 3 | ||||
5 | 1 | ||||
6 | 0 | ||||
ワゴンタクシー (ハイエース) | 10 | 9 | 1 | 1 | 12 |
2 | 10 | ||||
3 | 9 | ||||
4 | 7 | ||||
5 | 6 | ||||
6 | 4 | ||||
7 | 3 | ||||
8 | 1 | ||||
9 | 0 |
表の簡単な補足説明
【子供の人数換算について】
道路運送車両の保安基準第五十三条に乗車定員の内、大人と子供の年齢区分規定があります。
2 前項の乗車定員は、十二歳以上の者の数をもつて表すものとする。この場合において、十二歳以上の者一人は、十二歳未満の小児又は幼児一・五人に相当するものとする。
引用元:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_237_00.pdf
つまり、
但し、子供でも12歳以上であれば大人1人と同じになります。
【乗車定員の根拠について】
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示【2006.08..25】(第三節) 第237条(乗車定員及び最大積載量)について書かれています。
一 乗車定員は、運転者咳席、座席、座席に準ずる装置及び立席の定員の総和とする。以下省略
二 連続した座席の乗車定員は、次によるものとする。
イ 幼児専用車以外の自動車にあっては、当該座席の幅を40cmで除して得た整数値とする。
引用元:https://www.mlit.go.jp/jidosha/kijyun/saimokukokuji/saikoku_237_00.pdf
運転席、助手席は当然各1名で2人、後席ベンチシート標準幅140cmとして40cmで割ると3.5≒3人で合計5人となり、これが普通自動車の標準的な乗車定員数となります。
乗車定員内なのにシートベルトが足りない場合
大人2人、12歳未満の子供3人だと大人4人分になるため、タクシードライバーを含めて5人の場合は、乗車定員内数で問題ないのですが助手席に1人、後部座席に大人1人子供3人だとシートベルトが一つ足りません。
この場合、シートベルトの着用義務違反に問われるかについては、次章で詳しく解説します。
シートベルトの着用義務が免除される条件
道路交通法第71条の3によると
-
負傷若しくは障害のため又は妊娠中であることにより、座席ベルトを装着することが療養上又は健康保持上適当でないとき。
-
著しく座高が高いか又は低いこと、著しく肥満していることその他の身体の状態により適切に座席ベルトを装着することができないとき。
-
自動車を後退させるとき。
-
消防用車両、警衛・警護車、選挙運動用自動車などを当該用務のため運転するとき。
-
郵便物の集配業務など、短区間でひんぱんな乗降が必要とされる運転業務に従事しているとき。
-
乗車人員の制限を超えない場合に限るが、当該座席ベルトを装着させることができない者を乗車させるとき。
6の免責事由の具体例として、普通自動車の乗車定員は5名ですが、大人2人12歳未満の子供3人の場合、子供3人は3/1.5=2 と大人2人分なので、タクシードライバーを含めて乗車人員は5名で乗車定員を超えてはいませんが乗員人員の座席ベルトは4つしかなく、子供1人分のベルトが足りません。このような状況を指します。
しかし、いくら法律上で容認されていても事故時の安全性を考えると、座席ベルト非着用の人を乗せて運転する事は、止めておくべきでしょう。
そこで、次章では乗車定員をオーバーする時の対処法を簡単にお話します。
定員オーバーする時の対処法
道路交通法第57条第一項によると
運転者は、当該車両について政令で定める乗車人員の制限を超えて乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない。
引用元:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=335AC0000000105
とあり、タクシードライバーにこれを強要するとお客側も罪に問われる場合があります。
このような場合には、子供の人数を考えて前述の乗車定員一覧表から、定員5人の「ジャンボタクシー」或いは定員9人の「ハイエースワゴンタクシー」などの利用が望ましいですね。
「ジャンボタクシー」「ハイエースワゴンタクシー」の予約方法や利用料金
ジャンボタクシーにしろハイエースワゴンタクシーは、一般のタクシーと違って流し営業はされません。全て時間制の予約貸し切り制となっています。
料金の仕組みについても一般のタクシーが距離制であるのに対し、時間貸し切り制である事です。
従って、近場の移動では割高感が出るかも知れませんが、普通タクシーに大人4人乗る場合、後席は3人座らなければならず現実的には窮屈なので、ジャンボタクシーはストレスなく利用出来るメリットがありますね。
利用料金については、下記サイトに色んな地域の観光コースを巡った場合の一般タクシーとの料金比較がありますので、参考になさってください。
6人程度のタクシー移動となると一般のタクシーでは2台必要で料金も2倍となる事から、ジャンボタクシーの方がかえって総額で安く付く場合があり、利用したい地域のタクシー会社に見積相談をされる事をお勧めします。
タクシー料金の目安
タクシー料金の走行距離と時間に関する目安は下記サイトその他で出発地と到着地の住所を入力すると料金と距離が示されます。
近場の移動にタクシーを利用する場合には考えなくても良いですが、ある程度の距離の移動となると高速道路の利用が必然となって来ます。
そこで、高速道路の通行料はタクシー代金に含まれるか否かですが、当然の事ながら、通行料金はタクシー代には含まれず、別途実費支払いとなります。
この記事では、タクシーの乗車可能人数とか、乗車定員内の人数であっても座席ベルトが足らない時の考え方、その他を解説して来ましたが、一般的に良く見かけるタクシーとあまり利用する機会がないハイヤーの違いが何かを探ってみたいと思います。
ハイヤーとタクシーの違い
ハイヤーは、英語から来たカタカナ語でスペルは「Hire」日本語直訳では「雇う」と言う意味です。
そこから、営業形態で区分すると特別なシーンで利用される個別輸送手段と言う位置付けで、タクシーのような一般客の乗車を目的とした公共交通手段とは大きく違います。
中には、タクシーであっても個人タクシーでお気に入りの運転手さんがいて、馴染みとなれば半ばハイヤー的なサービスを受けられるような事もあります。
詳しくは、小ブログ記事の「ハイヤーとタクシーの違い」をご覧ください。
ハイヤーに何人乗れるか
ハイヤーは、前述の通り具体的には会社役員の移動、海外VIPや冠婚葬祭の送迎、接待など特別な個別輸送手段なので、乗車定員ギリギリまで乗せて走るような事はありません。
タクシーであろうとハイヤーであろうと道路運送車両の保安基準の細目を定められた乗車定員は遵守しなければなりませんが、現実的には中々そこまでの事はないでしょう。
まとめ
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軽自動車の乗車定員は、運転手を含めて4人です。
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普通自動車の乗車定員は、運転手を含めて5人です。
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12歳未満の子供は、3人で大人2人分として勘定します。
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乗車定員を超える場合は、ジャンボタクシーかワゴンタクシーを利用しましょう。
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子供の人数が多くて乗車定員内であっても、シートベルトが足りない場合は、着用義務は免除されます。しかし、安全のためにはシートベルトの数の人数を乗るようにしましょう。
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ハイヤーとは、一般のタクシーと異なり特別な用途に利用される個別輸送手段です。
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