1級造園施工管理技士の実地試験!経験記述の解答例を徹底解説!

1級実地試験は、12月1日(日)ですね。

私は平成2年に1級造園施工管理技士試験に合格しました。

しかし、当時の私も勉強方法に苦労しました。

学科試験には受かったが、初めての方は実地試験ってどんなことをするのか、どんな問題が出るのだろうか等、不安要素がたくさんおありだと思います。

そこで、この資格の取得者として、現場経験者として、この実地試験の概要をお伝えし、最重要課題である経験記述について具体的な解答例を示して、少しでも皆さんのお役に立てればと思い記事にしました。



実地試験全体の概要について

平成30年度の実地試験は、問題1、問題2の必須問題2問と、問題3、問題4、問題5の3問の選択問題から自分で1問を選択し、合計3問を解答する形となっております。毎年、この形態は変わりません。

よく、実地試験だからといって実際に現場で試験する訳ではありません。
あくまで、あなたが経験して得た知見を記述式に問うもので、学科試験のような四枝択一式問題ではありません。

問題1については、下記に詳細を示す通り、30年度は
「あなたが経験した主な造園工事のうち、工事の施工管理において「工程管理」又は「品質管理」上の課題があった工事を1つ選び、その工事について以下の設問(1)~(5)について答えなさい。(造園工事以外の記述は採点の対象となりません。)」と「工程管理」又は「品質管理」上の課題と処置を記述するものでした。

問題2については、その中に設問が4つほどあり、更にその1問毎に2~3問に分かれているので、総設問数は10~12となります。これをすべて解答することになります。

以上が必須問題の概要です。

選択問題については、3問の内1問を自分で選んで解答するものです。
1問だけの解答では、間違った時のためと思って2問以上解答すると、いずれも採点対象外となりますからご注意下さい。あくまで1問のみです。

何が出るかは分かりませんが、私が受験した時はネットワーク式工程表の問題の出題頻度が高く、現に出題され、それを選択して解答した記憶があります。クリティカルパス、最遅完了時刻とか懐かしいですね。

しかし、ここで強調したいのは問題2の必須問題や、選択問題の1問が完璧に出来たとしても、問題1の経験記述がダメだと絶対に合格出来ません。

1級施工管理技士というのは、土木、造園でも同じことですが、特定建設業における営業所の専任技術者になれるということです。

特定建設業というのは、建築一式工事であれば6,000万円以上、その他工事であれば4,000万円以上の下請け契約の締結が可能な権利があり、それだけ大きな工事を協力業者を使って仕事をすることが出来ます。

特定建設業の営業所の専任技術者というのは、下請け協力業者の保護育成や、大規模な公共工事の施工など、社会的責任が重く、1級の資格者しかなれません。

従って、1級施工管理技士には、十分な経験と知識と遵法精神が求められるため、この経験記述が最重要とされる訳です。

それでは、実地試験の最重要課題である経験記述に的を絞って解答例を示しながら解説していきたいと思います。



経験記述について

工事の工程管理、品質管理、安全管理の課題の内容(背景及び理由を含む)に対し、あなたが現場で実施した処置又は対策を現実のものとして試験官に納得させる事が、合格のキーです。

刑事事件で例えるなら、犯人しか知り得ない情報、即ち

現場を本当にやった事がある人しか知り得ない、現実味のある体験に基づく経験記述、これが一番大事です。

多少、文章が下手くそでも、漢字を知らなくても、切実な現場実体験記述が何よりも迫力があるのです。

只、そこには専門用語や適格な数値の配置が必要です、何でも経験した事だけ単純に書けば良いと言うものではありません。

現場で体験した技術的課題です。
その問題が工事の工程、品質、安全に大きく関わるような事を記述しないとダメです。

現場代理人が決まらないとか、協力会社が確保できないとか、そう言う単純な事を聞いているのではなく、技術的な課題です。

 

出題項目

当然ながら、工程管理、品質管理、安全管理がメインになります。
この3つを前以って準備しておけば問題ないと思います。
逆にこの3つを事前に準備して、頭に叩き込んで置かないと絶対にダメです。

試験現場で、即興で書ける人は相当頭が良いと思いますが、一般の方は事前準備が合格のコツです。

経験記述問題のスタイルは、このような形になっていると思います。

問題 1 あなたが経験した主な造園工事のうち、工事の施工管理において「工程管理」又は「品質管理」上の課題があった工事を1つ選び、その工事について以下の設問(1)~(5)について答えなさい。(造園工事以外の記述は採点の対象となりません。

解答は、解答用紙の所定の解答欄に記述しなさい。

以下、解答例を赤文字で説明します。

(1)工事名を具体的に記述しなさい。 

○○○○○○造園工事

受験申請時に書いた契約書通りの工事名を、正確に記載して下さい。

(2)工事内容等

   (1)の工事に関し、以下の①~⑤について具体的に記述しなさい。

  ①施工場所

○○県△△市□□町地先

契約書に記載の通りに書いて下さい。

        ② (ァ) この工事の契約上の発注者名又は注文者名

○○市○○土木事務所緑地公園課等

発注者の正確な呼称を書いて下さい。

(イ) この工事におけるあなたの所属する会社等の契約上の立場を、
解答欄の〔   〕内に該当するものに〇を付けなさい。

会社等の立場ですから、

工事主任、工務主任等の簡単に言えば肩書ですね。

役所に対する工事現場の肩書ではなく、社内の立場ですね。

「その他」に〇を付けた場合は(          )に契約上の立場を記述しなさい。
とありますから、別の立場を書いたなら(           )内に説明が必要です。

③工期

(自)平成○○年○○月○○日~(至)平成○○年○○月○○日

契約書に記載の通りに書いて下さい。

④工事金額又は請負代金額

¥○○,○○○,○○○円(消費税込み)

契約書に記載の通りに書いて下さい。

公共工事の場合、請負代金額(契約金額)とは、消費税込みの金額を言います。
変更増減があった場合は、最終設計変更金額を書いて下さい。

⑤工事概要

(ア)工事内容

「本工事は、設置後20年経過した○○公園の樹木、遊具等の施設を改修するものである。」とか、「本工事は、新設される○○自動車道○○線の○○サービスエリア(SA)の建築建物周囲の造園外構工事である。」など、工事目的、概要を記述すれば良いと思います。

(イ)工事数量(例:工種、種別、細別、数量、規格等)

下記のように数量総括表形式にした方が試験官に分かり易いと思います。

工事数量は(例:工種、種別、細別、数量、規格等)となっていますが、規格ですから「単位」も入れることができますし、下のように入れた方が良いと思います。

又、植栽工と言っても高木、中木、低木植栽工があるので下のように「高中低木植栽工」「クスノキ他」「規格○○他」「全体数量○○本」等、まとめる方が良い思います。

規格表現は、一般的に高さはH、目通り幹回りはC、枝張りはWで通用すると思います。


(例)

工種 種別 細別 規格 単位 数量
植栽工 高中低木植栽工 真竹他 H4.0他 400
植付工 地被類 オカメザサ他 3本立他 390
張芝工 張芝A 700
舗装工 陶板他 300×300×30他 390
縁石工 切石他 150×150×600他 m 88
遊具施設工 すべり台 1

 

(ウ)現場の状況及び周辺の状況(必要に応じ、関連工事の有無等当該工事の施工に影響等を与える事項、内容等を含む)

(例)

新設の自動車専用道路のサービスエリア内の建物施設以外の造園外構一式工事であったので、工期順守は当然のこと、建築、駐車場舗装、電気、水道、空調設備関係業者等、多数業者との関連工程調整があり、毎週調整会議が発注者主催で行われた。
そのような中で植栽樹木の植付や、園路広場舗装等の工程、品質管理を行う必要があった。

(3)工事現場における施工管理上のあなたの立場を記述しなさい。


これは、工事現場における立場ですから

現場代理人、主任技術者が良いと思います。

(4)上記工事の施工において、課題があった管理項目名(工程管理又は品質管理)及びその課題の内容(背景及び理由を含む)を具体的に記述しなさい。

課題があった管理項目名

品質管理

課題の内容①
植栽の中心となる「真竹」が、建築工程の都合により植付時期が2月の真冬になり、植付不適期であったため、そのままでは活着率の低下が見込まれた。

課題の内容②
陶板舗装工の基礎コンクリート施工時期が、同様に、建築工程の都合により2月の寒冷期となり、日平均気温が4℃以下になる週間予報を基に、寒中コンクリートの対策が必要となった。

記述ボリュームを考慮して、2点記載しました。


(5)(4)の課題に対し、あなたが現場で実施した処置又は対策を具体的に記述しなさい。

課題の内容①の対策
不適期施工の問題解決と竹の活着率向上のため、半年前から掘り取り仮植養生を行い、樹勢のよいものだけを搬入植付した。

課題の内容②の対策
AE剤は、所要のワーカビリティーを得るのに必要な単位水量を減らせるほか、適切な空気量を連行することにより、コンクリートの耐凍害性も向上するので、AEコンクリートを使用することとした。

打ち込み時のコンクリート最低温度は、基礎コンクリートの設計厚が50mmと薄いので、10℃以上とした。

セメンは、寒中コンクリートの場合早強ポルトランドセメントか、普通ポルトランドセメントを用いることが多いが、部材厚が薄く水和熱に起因するひび割れが懸念されたので、高炉B種を使用することとした。

初期凍害を防止するため保温養生と給熱養生を実施した。
具体的には、日中は、養生マットで覆い保温断熱養生を行い、夜間気温低下時には養生マットの上にブルーシートを併用し、ジェットヒーターでの給熱温風養生を行った。
又、コンクリート養生温度は、部材厚が薄いので10℃程度とした。

注意事項

既にご承知の事と思いますが、安全確保の為、ガードマンの人数を増やしたとか、そんな単純な話は誰でも書けますし、そのような技術的課題はダメとなっていると思いますので、念の為申しておきます。

又、丸写しは絶対お止め下さい、これはあくまでヒントですから。
皆が皆、同じ内容では変ですし、俺一人位と思う人が1000人居たとしたら大変ですよ。

同じような回答だと、嘘だとばれます。

なぜなら試験(採点)官同士の連携で似たような解答についても話合われる、というような話を風の噂で聞いたことがあります。

その時点で他の記述問題が出来ていても一発で不合格になるそうです。

虚偽記載をするような人に、国家資格を保有する資格はないという考えですね。
せっかくの苦労が水の泡ですから、絶対にそれだけは止めて下さい。

あくまで、実体験に基づいて書いて下さい。

この記事は、先ほど申しましたようにあくまでヒントです、このように書けば必ず受かると保証するものではありません。

自己責任でよろしくお願いします。



おまけ

経験記述以外の必須問題1問と選択問題の1問の勉強方法ですが、これは実際に紙の上に書いて手と頭と目で覚えていくしかありません。

例えばネットワーク工程表を書いて、最重要経路であるクリティカルパスを計算して求めるとか、参考書の重要字句をマーカーで消して埋める練習をするとか、とにかく○×式ではなく、書いて覚えるしかありません。

そうしないと、緊張した試験現場では絶対に手が動きません。
私が受験した時は、わら半紙に書いて書いて書きまくり、その厚みが数センチになるほど自問自答しながら勉強しました。
今は、そんなものもうありませんが、懐かしい思い出です。

まとめ

最後にもう一度経験記述のポイントを言いますが、

現場を本当にやった事がある人しか知り得ない、現実味のある体験に基づく経験記述、これが一番大事です。

あ~これは実際にやってないな、作り話だなと判断されたら、難しいと言う事です。
これも、風の噂で試験官のつぶやきを聞いた事がある人から、聞いた話ですけどね。

資格を取るのは、容易な事ではありませんが、努力した時間の多寡により合格率は変化します。

一度取れば、一生あなたのものです。

頑張って下さい!!

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